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支援事例
「本人が言わないから問題ない」とみなさない
事例05/先天性筋ジストロフィー・知的障害/30代
ご本人・ご家族の同意を得たうえで、個人が特定されない範囲で内容を編集しています。
先天性の進行性疾患に知的障害を併発している方です。運動機能の制限に加え、身体機能の変化に段 階的に対応していく必要があるケースです。
ご本人が体調の変化を自覚し、言葉で伝えることは難しい状態です。そのため支援でまず整えたのは、何を見て判断するかの基準でした。表情、脈拍、酸素飽和度、そして機嫌の良し悪し。この四つを毎回の訪問で確認し、記録に残しています。
数値は測れば誰でも同じものが取れますが、表情と機嫌は担当者によって捉え方が変わります。そこで「いつもと違う」と判断する目安をチーム内で言語化し、手順書に残しました。担当者が代わっても同じ基準で見られる状態をつくることが、この方の支援では最優先だと考えています。
「本人が言わないから問題ない」とみなさないこと。これを前提として全員で共有しています。
支援にあたっては、現時点でできていることを維持する視点と、数か月先の変化を見越して手順をあらかじめ準備しておく視点の両方を持って臨んでいます。状態が変わってか ら対応を考えるのでは、ご本人の生活に空白が生じてしまうためです。介助方法を変更する際も、ご本人が慣れるまでの時間を織り込んで段階的に移行しています。
訪問看護・主治医との情報共有を定例化し、日々の支援記録から体調の変化を早期に拾い上げる体制をとっています。